Sato Dental Blog
歯科ニュース 6
処分の主な理由は、診療報酬の不正請求を繰り返してきたことだが、無料診療で多数の患者を集め、ずさんな診療を行ってきたことも考え合わせて結論を出した。
無料診療の狙いが患者集めだったとすれば、保険医療の信頼性を損なう行為だ。関係機関は問題点を洗い出し、全容を解明してほしい。
その仕組みは巧妙だ。
無料で治療を受けたい患者はまず、札幌のNPO法人の会員になる。問題の医院での治療後にNPO法人のアンケートに答え、保険の自己負担分と同額の「労務料」を受け取り、医院で自己負担分を支払う。
NPO法人の理事長は、この医院を運営する医療法人の理事長代行も務めている。道厚生局は医療法人とNPO法人が一体のものと判断、無料診療は健康保険法に違反する、として改善を求めてきた。
道厚生局は近く、医療法人に対しても、保険医療機関の指定を取り消す考えだ。当然の措置だろう。
無料診療を行った理由を、NPO法人は「経済的な弱者救済のため」と話している。確かに、この仕組みがあったから治療を受けられた、という人もいるだろう。
半面、医療法人としては、無料診療をうたうことで患者を多く受け入れ、採算を合わすことができる。この医院の月間の初診患者数は約100人で、全国平均より30~40人も多かったという。
このため、院長の手が回らなくなり、無資格の職員にエックス線撮影などを行わせたほか、個別の症状を無視した画一的な診療を繰り返したという。カルテ作成もコンピューターへの入力を職員に任せ、その内容を確認していなかったようだ。
これで本当に「弱者救済」と言えるのか。
院長は診療報酬の月間目標をNPO法人から課されていたと、道厚生局に話している。不正請求がこのノルマと関係があるのか、道厚生局は徹底的に調べてもらいたい。
道内では最近、歯科以外でも無料診療が相次いでいる。これが横行すれば、不要な医療が繰り返され、健康保険財政を圧迫してしまう。
その結果、保険料の増額や税金の余計な支出という形で、国民にツケが回ってくる。
もちろん、経済的な理由で受診を抑制するようなことがあってはならない。今回の問題を契機に、政府は保険料や自己負担のあり方など、さまざまな角度から、低所得者対策を検証してほしい。
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